これもまた、確率の話


 ネットを利用することで、大量のデジタルデータが残り、それをもとに人の行動のパターンを見つけ出し、これまでの定説を覆していこう。こういう試み、いつも血が騒ぎます。
 今回の本は麻雀について。(「マージャンもビジネスも、ネット上のデータ分析が武器に」2007年8月24日(金) 御立 尚資

科学する麻雀 (講談社現代新書)
 『科学する麻雀』(講談社現代新書)という本がある。とつげき東北というペンネームで、理系の国家公務員(!)の方が書いたものだ。東風荘というネット上の麻雀サイトでの膨大な対局データを基に、従来の麻雀の常識やセオリー(例えば「リーチ宣言牌のソバは危険」といった類)が妥当かどうかを検証し、さらに、新しい麻雀理論を構築しようとした、なかなか面白い本である。


 この本の面白さの本質は、インターネットによって、実際の人間の行動とその結果(この場合は、麻雀でどのような手を打つかという選択と、その結果である勝ち負け)がデータの形で手に入ること、そしてそれを活用することで、今まで見えなかったことが見えるようになる、ということにあると思う。


 これをやって分かることは、そもそも上の「リーチ宣言牌のソバは危険」にしても、「経験則と言いながら、実際のデータによって検証されていない。そのため、いわば感覚論になりがち」と、「そんな気がする」域を脱していないことを明言しています。
 宗教周りもこの「感覚論」が多いとつねづね思い、しかし、「実際のデータによる検証」はどえらいお金がかかったりするので、実際には「感覚論」の方で闘うしかないことが多いわけですね。そこで、「インターネット」。上の麻雀も、ネット上の対戦ゲームのデータをもらったか何かしたわけで、データは最初からデジタルですし、何の苦もなく、大量のデータの取得と処理ができるわけですね。細かい分析が可能。こういうの、やりたいなぁ。
 いや、別に、あらためて麻雀で勝とうと目論んでるわけではないです・・・