バーチャルばあちゃん

梅田望夫さんのとこにゲストブログで、株式会社はてな伊藤直也さんが書いたブロードバンド、ハードウェアの低価格化、オープンソース、XML技術の到来がもたらしたものがなかなか面白いと思います。


コンピュータもネットも急激に安くなったおかげで、とくに「常時接続」が私たちの生活をまったく変えて、福岡で飲んだおいしい焼酎も楽天で多分見つけることができるし、オフィスにいながらアマゾンで本でもCDでもDVDでも持ってきてもらえる、というわけです。


本編では、これによって、ネット上でのビジネスの参入障壁が圧倒的に低くなった話が書かれています。


私が今年はじめに開始したRSS検索エンジンのFeedBack、「任意のキーワードに関する話題を追いかける」という一風変わったコンセプトがうけたのか、おかげさまで各種メディアにも取り上げていただくなど、自分でも驚くような反響がありました。このFeedBack、どのようなシステム構成で運用されていると思いますか?

それは非常にお粗末なものです。サーバーは友人が不要だからといって余らせていたPCのパーツをもらって組み立てたPentium III 600MHzのパソコン、OS は雑誌の付録CD-ROMについてきた Linux、回線は月々数千円のADSL 12Mbps、データベースはオープンソースMySQLを用い、フリーのプログラミング言語Perlで開発、検索エンジンに相当する部分には、ゲストブロガーも努めた高林さんが開発したオープンソース検索エンジンNamazuを利用。そして、RSSやweblogUpdates pingをはじめとするブログ周辺のXML技術のおかげで、データの収集にかかるプログラムも簡潔で、マシンも一台で事足りています。

このシステムにかかっているコストは、月々の回線費用と電気代ぐらいなものです。FeedBackが僕に与えてくれたさまざまなチャンスを考えると、かなりの額のお釣りがくるでしょう。メディア掲載暦多数の検索エンジンが自宅でひっそりと動いているという図は、ある種笑えるものがあります。

ところで一般人にとっても、ずいぶんと生活は変わりました。この記事に関連してどこかで読んだ(結局ソースを見つけられませんでした!)話です。


梅田さんのようにアメリカ、シリコンバレーで働いている日本人家族が日本に残した独り暮らしのおばあちゃんが心配なので、おばあさんの自宅にwebカメラ付きのラップトップを常時接続のネットをつないで、食卓に残してきたのだそうです。シリコンバレーの日本人家庭の食卓にも同じようにネットに繋がったカメラ付きラップトップをおいて、常におばあちゃんの食卓が見えるようになっているのだそうです。(イメージできます?)ご飯を食べるときには、子どもを含め家族4人とラップトップに写るおばあちゃんが食卓に並んで一緒にご飯を食べるのだそうですよ(時差はどうなんだろ??)。すっごいでしょう!うちも、いまアメリカに行くことになったら絶対これやりますね。


結局常時接続がただ同然になったから可能になったわけ。むかし80年代に、大手企業にネット決済の機械を売りつけていたときは、300bpsという恐ろしい遅い(ADSL12Mbpsと比べて40,000分の1)スピードで月何万円も(何十万だったかな??)とっていたことを考えると、まったく違う世界。
この話を聞いた某広告業界の人、「へえ〜、バーチャルばあちゃん!」、だそうです。