「“音楽はことばの壁を越える”、というのはウソ!」
今日、NHKの「クローズアップ現代」でモーツァルトをやっていて、バイオリニストの高嶋ちさ子も、モーツァルトの楽曲についての彼女の思いを語っていました。ま、モーツァルトもいいのですが。
高嶋ちさ子が言っていたことばで忘れられないことが上↑。04年の1月末の土曜のJ-Waveの番組で話してたのですが、海外で外国人たちとアンサンブルするためには、ことばがしゃべれないことには話にならない、という話。彼女が言ってたのは、
ともかくたくさん形容詞を伝えていかないといけないんです。例えば、「次はもっとねちっこく弾いて!」っていうふうに。だからなんて言っていいかわかんないけど、Play more sticky, とか言うんですよぉ
そりゃそうだろうなぁと思って。誰でも話す、パラフレーズにだまされてはいけません。もちろん、言葉が通じなくても、ギター1本で世界の仲間と盛り上がれる!って場面があることも否定しないけど、プロがシリアスに音楽やるときは、言葉が通じないことには話にならない。でもまあ、こんなめっちゃえいごでも何とか通じさせていけますけどね。
一度、立派なプロのみなさんの、チェンバロと弦楽のアンサンブルのリハにたまたまご一緒したときがあるんですけど(これは全部日本人、一人関西人でしたけど)、そのときも、「ん〜、じゃ今度はぐっと都会的にいってみようか!」って、バロックを弾いてましたね。ことばを超えた領域を、敢えてことばで表現して伝えなければならないことの掻痒と悦楽、みたいな。言語と非言語のそれぞれの表象の力相撲みたいな感じがして、おもろいなぁ、と思うのでした。