「ゆとり教育」が悪いと言うけれど

quelo42006-11-03



いつも心配事の多い立花先生は、今回の未履修事件をまた大変に憂えておられます。立花隆、東大生にも蔓延!履修漏れ問題、「ゆとり教育」が国を滅ぼす、NikkeiBP, 2006年11月1日

 最近、原田武夫「タイゾー化する子供たち」(光文社)という本を読んでいたら、こんな驚くべきエピソードが紹介されていた。・・・
 ある日、原田氏は今年4月23日に行われた千葉7区の衆院選補欠選挙自民党候補が民主党候補に敗れた)を例にとって、そのときその選挙区で、どのような政治意識の変動があったのかを分析してみせた。
 その日の授業が終わったところで、1人の女子学生が教壇に寄ってきて、こんな質問をした。
 「さっき、先生は今の与党が自民党公明党で、連立政権だって言いましたよね。今日聞くまで、そのことを知らなかったのですが、政治のキソを勉強するために適当な本ってありますか?」
 いうまでもなく、現在の政権が、自民党公明党の連立政権であることなど、日本人なら誰でも知っている社会常識に属すると思っていた原田氏は唖然とする。
 しかし、彼女はもぐりでも何でもなく、正真正銘の東大生なのである。事情を聞いてみると、彼女は高校で理系の進学組に属していた。社会は1科目ですむため、受験科目は必死で勉強したが、社会科の常識部分をほとんど欠如させたまま大学生になってしまった。そういうことが現実にありうるのだと知って原田氏はショックを受ける。

確かに大学生の、殊にこうした有名大の「とんでも」話は、大学教員の間でことあるごとに話される、らしい。頻繁に起きる話らしく、実際、大学受験制度に合わせた戦略もあって、勉強する科目が偏っていたり、受験勉強以外のことを体験しなくなったことで、いわゆる「常識」が失われているのかも知れない・・・(ちなみに、タイゾーは、自民党杉村太蔵議員。<まさか原田泰造じゃないよなぁ、と思ってたのですが・・・>きょうびの学生は彼の突然成功話にあこがれるのだそうです。ま、こういう「一発逆転話」は映画などでも昔からあると思いますけどね、『大逆転』とか『努力しないで出世する方法』とかも。)


翻って、中学受験をしている子どもたちを見てみると、いまの中学受験の範囲は広大です。例えば日本史で、私が知らない足利某を答えるような(つまり、尊氏やではない)問題が「基礎」トレーニングとして出ます。生物で、被子植物やら●●生殖をする微生物やら、やたら名前を覚えなければなりません。夏の大三角形の1等星が全部言える大人がどのくらいいるでしょうか?? 私たち(記者、一応プロですが)が使い分けを迷うような漢字の問題(態勢、体制、体勢・・・)も出ます。関東、関西とも、有名校といわれる中高一貫校に合格するような子は、こういう問題が全部できるんですね。小6ですが、彼らはセンター試験(大学受験)を8割以上取れるそうです。ここまでできている小学生が、どうして連立与党を知らないんでしょう???


テレビくらい見た方がいいんじゃないかなぁ。おじさんの好きなニュース23とか。ここまでできる小学生が、その後6年間、何をやってるんでしょう? これ、取材対象??? 某キリスト教系中高など。