遥洋子は面白い!

quelo42007-04-13



遥洋子はほんとに面白いなぁと思います。今回のコラム、「職場の愚痴のむこうには−NikkeiBPOnline2007年4月13日 金曜日」は、ことばの上では女性に対しきつい物言いで差別的ではあるものの職務上では堂々と勝負することを励ます上司と、優しい物言いで表面的には女性を大事にしている一方で職務上は同じ土俵に乗ることも許さず黙ってにこにこしていることを女性に要求する上司の比較についてです。(遥洋子さん、from BPOnline


これ、明らかにあらゆる差別状態について言える発想で、概して、差別克服のために一緒に働いている人の中にもしばしばあらわれる誘惑でもあると思います。差別を受けている人を助ける気持ちは誠実であっても、最終的には「同じ」とは思っていない。一つしたにいるからこそ哀れんでいる、ないしは、その人の存在が自分自身を脅かしてくると、途端に反発をあらわしてしまう。こういう体験、“人権派”との関わりで出会うこと、ありますよね。これもまた、人間の限界、ではありますが、自分自身も気をつけていかないといけない、大切な教訓であります。


で、彼女の一言。

 私にとっては、お茶を入れようが、手を握られようが、仕事の機会が与えられることのほうが数段嬉しかったのが正直なところだ。


 職場には異なる主張があっていい。男女の古い価値観の人がいたっていい。問題は、同調を求めるあまり、異なる主張に対し感情の乱れが生じることのほうだ。


 古い価値観の人も、新しいと自負する人も、そのどちらに合わせたところでどちらかにストレスが溜まる。さりとて異論を唱えると、唱えられたほうは感情が乱れ、角が立つ。

短い引用でちょっと分かりにくいかもしれませんが、つまり、男女同権でも、男尊女卑でも、どちらの主張をもつにせよ、プロとして職務上同じ土俵にいる限りは、その意見の違いによって感情的に乱されて、権力を使って相手を土俵の上に上がることも許さないのはあまりにも卑怯、ということだと思います。自分の何かが犯されると思って感情的になることで、部下の力を発揮させてあげないと、その上司にとってもほんとにロスになっているんですけどねぇ、そのくらいの度量をもつ上の人に出会えることは幸せであります。