聞きにくいことを上手く聞いて書く人(!)
片瀬 京子「女々しい男でいこう!」という連載、なかなか楽しく読めます。(最新号、2009年2月26日「認めてほしい」と、いってほしい)
「ねえ、なんでオバチャンたちは、俺が『女の気持ちをわかっていない』って決めつけるんだと思う?」
うーん、そうですねえ、経験じゃないでしょうか。今まで周りにいた男性が、そういう人ばかりだったとか。
ヒロセさんは、どうして男性は女性から、「女の気持ちをわかっていない」と決めつけられてしまうんだと思いますか?
「わかんないなあ。もしかしたら男が、自分の小ささを認めないとダメなのかも」
自分の小ささを認める?
「実際そうじゃない? 俺なんかも家族を養うため、それから世のため人のためと思って働いているんだけど、でも別に、俺なんていなくてもいいんだよね。それでも地球は回るんだし。家族はたくましくやっていくだろうし」
そんな、いきなり話を飛躍させて、悲観的にならないでくださいよ。
「いや、でもそれが俺の結論だな。どれだけ仕事に情熱を注いでいても、所詮は小さな家庭を守ることしかできない男と、その程度の男にしか頼れない女でしか、俺の家庭は成立しない」
ヒロセさん、酔っ払ってます?
「なんだか泣きたくなってきちゃったなあ」
そんなこと言われると、こっちも泣きたくなっちゃいます。
でも、どうする?
泣いてもいいよ。「いやあ、そうはいかないよ。店にもあなたにも迷惑だし、俺もそこまで女々しくはないしね」
どうでしょう。結構女々しいとお見受けしました。もちろんこれ、褒め言葉。
ヒロセさん、もっと女々しくなるために、余計なお世話だと思うけど、奥さまと、今日みたいな話をしてみては?「いや、いいよ。なんだかごめんねこんな話聞かせて。今度会うとき、よそよそしくしないでね」
しないしない。しませんって。そもそも話を聞きたいと言ったのは私の方です。そんなに気を使わないでください。
男性からの率直な感想を引き出すあたり、なかなか、この片瀬さん、いい取材をされてます。そういう、よく話してくれる男性を見つけている、とも言えそうですが、それもインタビュー技術のうち。前回、インタビュイーが「その筋の人らしい」情報を、面談直前に入れて、びびってしまった「女々しい会社は社員が辞めない」も、なかなか読ませます。