鳥取県の宗教法人についての情報公開

この事件は昨年11月、鳥取県が県内のお寺2件について、その財務内容を情報公開した、という話です(12月26日に共同通信からのニュースで配信されたようですが、元ニュースはもうリンク切れのようです)。それに対し日本宗教連盟は抗議しており、その後、同県内の他の寺社が財務報告の提出拒否をするにいたっているようです。


オウムの事件があり、宗教法人の報告義務が強化された際、文化庁からは「報告された事項については、その宗教法人と直接利害関係のある信者などからの請求以外、開示しない」という“秘密厳守”のような約束があり、文化庁はその基準を守っている一方、鳥取県がその条例の要件に従い、一般的な情報として市民に情報公開したことが問題となっているようです。


私の個人的感想としてまず思うことは、県警や県議会の交際費など、“身内”のお金の流れについては、何かと理由をつけて非開示にするくせに、どうせ他人の神社仏閣の財務資料となると、いとも簡単に公開する、という姿勢はどうなんだろう、というあたりです。ちょっと“姑息じゃないか”と思ってしまいます。私の邪推だといいのですが。情報を請求する目的などは、開示の判断について別段斟酌されなかったようです。


お寺さんは、古くからもっている美術品などあり、たとえばご本尊の“簿価”がいくらかというようなことが開示されることは、あまり気持ちのいいものではないのは理解できます(ただ、「信教の自由」を盾にして抗議するのは、若干弱いような印象もありますが)。もっている不動産の価値や毎年のお布施や供養料の額など、誰彼ともなく見せたくはないでしょうね。少なくとも、行政にはちゃんと報告しているわけですから。


もう一つ個人的な意見として、この件とキリスト教各教団の関連について。もともと、キリスト教系は年間の予算などについてオープンにしているところが多いので、“世間様には見せられない”という部分はあまり残ってないように思います。そういう意味では、もたざる者の強み、もつ者の悩み、という感じでしょうか。あまり関わりのある問題ではないように考えます。