袴田事件、再審棄却の日

quelo42004-08-27

元プロボクサーの袴田厳さんが38年前、静岡で、元の雇い主だった味噌の会社の専務一家4人を殺害した容疑で死刑確定囚となっているものです。再審請求が10年前に静岡地裁で棄却され、今日東京高裁でも、さらに棄却されました。弁護団最高裁への特別抗告を考えているところです。(写真は、袴田さんのお姉さんと、支援の保坂前議員


こういう集まりにくると「権力」の大きさに圧倒されます。
普段の生活ではそんなこと、これっぽっちも意識されないのですが、例えば、痴漢の冤罪で仕事も家庭も棒に振った人の話、なんかを聞いても、無実の人の時計の歯車が一度逆回りを始めると、誰にも止められなくなる、警察も裁判所も決して助けてくれない、あなたも私もその被害者となることがある、ということをひしひし感じました。


ある意味、権力とはそんなものです。どうして警察官が武器を持っていて、それを“私”に向けることはないのか?そんなことは法治国家ではあり得ない、ってのは、僕に言わせれば平和ボケ、です。第3世界にいれば、どれだけ権力は恐ろしいものか、個人のいのちや人生はいかにちっぽけなものか、そんな出来事はごろごろ転がっていることを、やはり思い出します。


弁護団の話から推測するに、やっぱり先輩裁判官が行った判決については、それを後輩が覆すことはある意味難しいのか?「司法官僚の傲慢」といったことばを、支援の議員の人たちが使っていました。それじゃ、M自動車と同じじゃん、と思いましたが、裁判所は経営不振になって外資に買われるわけでも、ゴーン社長が来るわけでもないですから、「内からの改革」はなかなか難しいでしょうね。ま、教会も人のことは言えませんが。


ご本人の精神状態は悪く、お姉さんや支援の人たちも認識できないようです。明日執行されて死ぬかもしれない状況が数十年続いているだけでも、人間として耐えられる状況ではとてもないでしょう。