アメリカの選挙=エヴァンジェリカルvsシーア派

テレビでアメリカの大統領選直前の報道を見ていると、TBSがブッシュ大統領の支持基盤として福音派エバンジェリカル)キリスト教の人たちが大きな役割を果たしている、というニュースをやっていました。

おそらく、これは今に始まったことではなく、もともとプロテスタント国であるアメリカでは政治に限らず社会的にもプロテスタント教会の影響力は大きく、また、日本でニュースで見る、ニューヨークやロスといった大都会にいてインタビューに答える人々がアメリカのすべてではなく、広い大陸の様々な場所で、州の外に出たこともない人が大多数の(日本もまあ、同じですが)、外国なんてまったく興味のない人々の国、というのも事実だと思われます。

ニュースに出てきた福音派の礼拝では、白人がほとんどで、アジア人が少しいた感じ。ヒスパニックは見かけず、黒人もほとんど(多分ゼロ)いませんでした。あれだけ人種が混ざっているアメリカで、これだけ白人だけが(しかも何千人も)集まっている集会というのは、私は何ともいやな感じがします。移民が増えて、次第に国の中で圧倒的多数派の地位が崩れているWASP(白人、アングロサクソンプロテスタントの人たち)のアイデンティティがあの福音派のパワーなのかなぁ、と感慨深い映像でした。

こんなのはTVニュースを見た感想にすぎない、論証も何もないのですが、そういうふうに考えると、結局イラクの戦争は、アメリカ・エバンジェリカルvsムスリムシーア派の全面戦争なのか?とも思えてきます。しかし実際に戦闘で亡くなるのは、軍隊に入るしかないような、移民を中心とした貧しいアメリカ人と、そこから逃げるすべのないイラク人一般民衆なのが何ともやるせないことです。