21世紀の「知」の居場所

さて、学者らの間で、「知」の性質が変わってきているという話があります。昔は教員はすべてを知っていてそれを「知らない」学生たちに伝授してきたわけですが、例えば、65億個ある(のかな?)人間のDNA配列を全部記憶している学者なんていないわけですね。DNA配列はコンピュータが覚えているわけですね。


いまの「知」は人間の頭よりも、コンピュータの中に、しかもいま現在はネット上に保持されている。著作権の問題を除けば、DNA配列だって、核爆弾の作り方だって、ネット上で見つけることができる。その検索能力はちょっとしたコツが必要だったりするわけですが、複雑になったIT機器の申し訳程度の説明書にはない、ディープな知識はユーザー同士で共有され、それはコンピュータ上に保持される。下手したら、作ったAppleの人でも気づかない知識がこのネット上にあることもある。

私の使っているラジオ付き携帯も、ラジオ使ってたらメールの受信ができなかったのですが、それは、ラジオのソフトを「中断」すればラジオも聴けて、メールも受信できるんですが、そんなこと取説にも携帯のサイトにもどこにも書いてない。価格ドットコムのBBSに問い合わせて分かった知識。


きっとですね、21世紀の知識はまったく違う次元に来ているし、年間3000あまりの国内の将棋全対局がネット上で見ることができるというような時代の「高速道路」(12日のエントリー参照、望田さんのブログからです)を利用して、瞬く間にトップレベルに到達する10代の子たちが、各分野で続出するんでしょうねぇ。何とも面白い!(昨日の情熱大陸渡辺明氏(20)の竜王戦を見ていると、これかぁ、あの羽生名人と望田さんが話していた人たちは!と感心しきりでしたね。望田さんの元々のエントリーはこちら