NHKはみっともないなぁ

13日に42才のチーフ・プロの涙の記者会見のあと(15日のエントリーに詳報)、NHKは妙な反論の仕方をしてますね。2人の政治家はその尻馬に乗っているようでもあり、実はこの2人の政治家の方が、再度NHKに圧力をかけて、このような「対応」を強要しているのではないか・・・と邪推したくなります。「ともかく突っ張れ、俺は言っていない!と言い張れ」と。


現状分析を、以下毎日新聞が書いています。<NHK特番問題>NHK、朝日対立 テープ有無が焦点(毎日新聞) - 1月22日2時17分更新


さて、記事を書く意味での同業者として感じるのは、朝日新聞が「会ってない」と言っている大物に対して、「会った」と書くわけがない、というのが第一印象。朝日だって、政治家や大企業にはそう簡単にたてつけないはず。そうだとすれば、ここまで書くのはよっぽどのこと。で、やっぱり自信があるんですよ朝日は。NHKも政治家も、「質問状」は出しても、司法に訴えないでしょ。でも朝日は名誉毀損をにおわせてきた。取材テープは絶対にとってあるんですよ。だから朝日は自信がある。デスクもこの記事を出すことを決断できたし、その後もひるまない。テレビの前で平気で嘘をつけるとしたら、NHKはやっぱり地に落ちた感、いや増しです。


取材テープについては、やっぱりジャーナリズムの倫理として、最初の取材目的以外に使用するのは御法度ですから、いまNHKとやり合ってる段階では絶対に出せない。だけど、裁判になれば立派な証拠ですからオープンにできるでしょう。どっちがジャーナリズムを盾にいい加減なことを言っているのか、見物です。


それにしても、元放送総局長のことばで、中でも一番ひどかったのは、42才チーフ・プロに向かって、「告発するなんてジャーナリストとして恥ずべき行為」といったことを吐き捨てましたよね。あれが最低でしたね。「若造のくせに総局長をなめんなよ!」が本音でないでしょうか。こういう老人が日本を駄目にしてますよね。よぉゆ〜わぁ、です。


まあ、朝日をあそこまで追求したNHKがどう尻をまくるかも見物ですが、NHKは朝日を相手してる前に、あのチーフ・プロの告発に対し、たとえ圧力がなかったにせよ、あの裁判の番組をどういう意図で編集し直し、それが受信料を払っている視聴者にとって納得のいく説明かどうか、を問わなければならない。税金でやってるんじゃないんですから、政治は一切関係ないでしょ。金払ってる人に対してサービスしてるんだから。それやらないなら、私たちだって不払いの方にまわるぞ!と脅してもやりたくなりますよね、いつも政治家の顔色ばかりうかがって、自分の保身をはかるだけのような人たちならば。


もう一つ、この件について面白おかしく書いている週刊新潮やら、いくつかのブログなど、いい加減にせぇやと思いますね。国会議員に向かってこれだけの批判記事を書くのがどれだけビビルことか。そういう勇気のない奴に限って、強い側について斜に構えたような分かったようなこと気楽に評論するんだなぁ。この件に関しては、スポーツ新聞の方が熱心にチーフ・プロのことを記事に書いていた。会社の方針がどうであれ、記者各人は、このチーフ・プロの行為にどれだけ共感と同情、賞賛を感じているか。