ナタン・シャランスキーという人物

quelo42005-02-06

ナタンといえば、イスラエル預言者ダビデ王を諫め、ソロモン王に油注いで王とした人物。この名前を持ったナタン・シャランスキー氏は現イスラエル政府のエルサレム・離散問題担当相。最近メディアで注目されています。


ブッシュ米大統領が2期目の就任演説で「世界の圧政に終止符を打つ」と宣言したのを機に、この演説を貫く自由拡大思想の提唱者であるイスラエルの閣僚、ナタン・シャランスキー氏(エルサレム・離散問題担当相)に米メディアの関心が集まっている。同氏への大統領の傾倒は激しく、今後の米外交が影響を受ける可能性も高い。
イスラエル:右派論客に米大統領も傾倒?(毎日新聞 2005年1月28日 3時00分)
この人物、アメリカの現政権、また、パパブッシュの時代から、共和党政権の政策に影響を与えていた人物として紹介されているんです。

 保守系の米紙ワシントン・タイムズによると、1月11日の会見でブッシュ大統領は同氏を「英雄的人物」、同書を「すごい本だ」と絶賛。これを読めば「これまでと今後の(大統領の)多くの決定について説明する助けになる」と話しているという。

 このインタビューは当時さほど注目されなかったが、(1)新国務長官の就任承認を審議した18日の上院外交委員会でライス氏が突然、シャランスキー氏の自由に関する考え方を採用すべきだと主張した(2)ブッシュ大統領の20日の演説が同氏の考え方を強く反映していることが判明した−−ことで関心を集めた。

 しかし同氏は故レーガン元大統領の政権時代から米国のネオコンネオコンサーバティブ=新保守主義者)人脈と親交があり、ブッシュ大統領が02年6月の演説で新中東政策を打ち出した時から既に、ライス氏を通じて強い影響を与えていたという。

 問題は同氏の自由拡大論がイラク戦争を主唱したネオコンの考え方と酷似しており、パレスチナに対する姿勢がイスラエル首相より強硬だと指摘されることなどだ。イスラエル紙によると同氏は、自分の理論がブッシュ政権に「そのまま採用された」と喜んでいるという。

まあ、なぜこの時期に急に名前が登場するのか、勘ぐりたくなる気もしますが、この背景が真実だとしたら、結局サダム・フセインは、湾岸戦争の時にイスラエルにミサイルを撃ち込んでいた逆襲を10年後に受けて、ついに政権を追われ、またいまシリアやイランがねらわれ、一時期サウジやエジプト政府も「民主化が必要」とアメリカから名指しされていたように、合衆国対全アラブという構図の裏にはイスラエルがいた、となると、世界は合衆国の仮面をかぶったイスラエルのおかげで不安定化していることになる、ように見えます。ほんとにそうですかね?


いや、ユダヤ人がいけない、って言ってるんじゃないですよ。対パレスチナ・アラブに強硬姿勢の現イスラエル政権と、ネオコンを軸にした現合衆国共和党政権の結びつきは、世界中を人質にとって、自分たちの覇権に向かって突き進んでいるような気がします。この解説が正しいと、クリントンの頃にはアフリカや、北アイルランドにももっと介入していたのに、ブッシュ政権が中東一辺倒なのも合点がいくように思えます。