ライブドアという世代間闘争

quelo42005-02-18

その後どうも、ライブドアのメディア進出意向に対するバッシングのような方向性の報道が多いように思えます。
私の興味は、既存メディアがネットによって変えられていくところであり、自分の仕事にも大いに影響が及んでいますので、固定的な産業構造であるメディアが今回のような外からの、しかもネット産業の傘下に入らんとしていることは注目に値します。日経くらいは、そういう視点で見てくれてもいいのにな、と、全く期待はずれな感じですし、結局そういうメディアとネットという視点がないのは、一つには、前から書くような、PC世代とネット世代、それ以前の紙とインク世代という、世代間の枠組みの違いという問題ではないかと思っています。


そういえば、自民党の森氏が昨日、「(ライブドアの株取得について)若干疑問を感じる。カネさえあれば何でもいいんだ。力ずくでやれるんだという考え方は日本の教育の成果かと(疑問に)思う」と発言したそうな。(森前首相:ライブドアの株式大量取得を批判、毎日新聞 2005年2月17日 22時56分) こういう「道徳的」発言って、問題ですね。正義ぶって最もらしいのですが、結局自分たちの「サークル」の中に、「力」やら「金」が入ってこないときに、「疑問を感じる」に過ぎないのだろうな、と見てしまいます。


どの本に書いてあったか忘れましたが、都立大の宮台真司が書いていましたが、「なぜ人を殺してはいけないか」ということにどう答えるか、という話題が出たときに、「人を殺してはいけない」と言うことを社会が決めたことはない、と彼は言うんです。必ずこの命題には条件が付いて、仲間である、とか、味方の人を殺してはいけない、というのが人間社会のルールなわけです。だから、戦争でも、死刑でも認められているわけです。決して、「人を絶対的に殺してはいけない」社会はないんです。


で、上の森氏の発言も同じ。ある一定サークルの中の、コントロール可能な中で、金と力が動くのでないかぎり、それは許せないし、年下が年長者である自分たちの権利を侵害するような、そういう教育には疑問を大いに感じるのでしょう。森氏はメディアには門外漢でしょうが、まあ、紙インク世代でしょうから、その世代の利益代表として、PC世代や、今をときめくネット世代の「横暴」はとてもじゃないけど許せないんでしょうね。