「情報誌は、常に情報の需給ギャップがあるところで成立する」

quelo42006-06-20



もとリクルート藤原和博さんの言葉です。今日の日経の記事「『R25』が提供する“相場観” リクルートの本当の強さは、情報の切り口にあり」は、なかなか目から鱗であります。

 リクルートは「世の中に相場観を提供する会社」だと考えています。
 例えば、アルバイト情報誌「FromA」を見れば、どのような職種のアルバイトなら時間当たり給与(時給)がいくらなのかが一目瞭然です。同じ職種でも地域によって時給が若干、違うことも分かります。
 中古車情報誌「カーセンサー」も同様です。もともと中古車市場は価格が不透明な部分がありましたが、カーセンサーの登場により読者は車種や年式によって売買価格の大まかな目安が把握しやすくなりました。私自身、長年「住宅情報」の愛読者でしたが、いつの間にか私鉄沿線の中古マンション価格事情にはとても詳しくなりました。
 個人ではなかなか収集できない数多くの価格情報を紙の媒体やネットで一覧性を持たせて相場観を示したところにリクルートの強みがあるのではないでしょうか。


では「R25」はどうなのか?
 そうした見方について、このコラムをお読みの方の中には「若手ビジネスマン向けのフリーマガジン『R25』は価格情報を提供する媒体ではない」と言われる方もあるかもしれません。
 確かに「R25」には価格情報はありません。
 政治・経済をはじめスポーツ、社会、エンターテインメントなど幅広い旬なニュースをコンパクトにまとめているのが「R25」の特色です。しかし、「R25」にもれっきとした相場観があるのです。

この情報に対する相場観を読み手が持ってくれることで、情報に対するニーズが顕在化する、ということをいっています。そのための指標をR25が提示しているというのです。ニュースをうまく消費してもらうために、その相場観を提示してあげることの必然性があって、そのために情報媒体は機能すべき、ということ。新聞は何を書くべきか? 参考になります。