転職を繰り返し年金が心配なあなた(と私)へ

quelo42007-06-26



経済評論家の森永卓郎さんが年金記録を確認しに行った話、大変参考になります。第87回 転勤や出向で年金が宙に浮く可能性、日経BP6月25日公開

 わたしの場合、学生時代に任意加入の国民年金を支払っており、その後、日本たばこ産業三井情報開発、UFJ総合研究所の3社で厚生年金に加入していた。合計で330カ月分になるが、転職を繰り返したので、きちんと記録されているかどうか心配ではあった。
 社会保険事務所に着いたのは朝9時10分。事務所が開くのは9時半と聞いていたが、驚いたことに、既に受付が始まっていた。マスコミや政治家にさんざん叩かれたためか、安穏としていられなくなったのだろう。「いやはやご苦労さま」と同情する一方で、「やればできるじゃないか」と変に感心してしまった。
 さて、持参の年金手帳を提示して調べてもらったところ、数分ほどして係の人が戻ってきた。「該当するものがありましたが、それ以外に疑わしいのが2件あります」とのこと。すぐに印刷してもらったところ、確かにその2件ともわたしのものだった。
 このとき手渡された用紙は3枚。1枚は、直近に勤めた三井情報開発とUFJ総合研究所の2社の年金記録である。これには基礎年金番号が記されており、名前も漢字で「森永卓郎」と印字されている。これは、きちんと記録されている分である。
 あとの2枚のうち、1枚は学生時代の国民年金の記録、もう1枚は日本たばこ産業で収めた厚生年金の記録であった。どちらも基礎年金番号は記されておらず、名前はカタカナで「モリナガタクロウ」と印字されている。
 これこそが、まさに「宙に浮いた」年金記録だったのである。


 幸いだったのは、そこに記された個人情報に誤りがなかったことである。年金の加入記録には、個人を特定するために「氏名」「性別」「生年月日」という三つの個人情報が存在するが、わたしの場合、氏名はカタカナであったが、読みに間違いはなかった。そして、性別も生年月日も正しく入力されていた。
 これなら、誰がどうみても同一人物の年金情報と判断できるわけだ。
 さて、年金を満額もらうためには、この宙に浮いた記録を、基礎年金番号に統合しないといけない。いわゆる「名寄せ」という作業である。それには、本人の申請書が必要だとのことであるが、社会保険事務所はもうサービス満点であった。「書ける部分はわたしが書きます」「印鑑をお持ちじゃないならサインで結構です」とひたすら低姿勢。「出来上がるまで待っているんですか」と尋ねると、「いやいや、ご自宅にお送りします」と、気の毒なほど親切に応対してくれた。


 こうして、宙に浮いたわたしの記録は、やけにあっさりと統合することができた。ほかの5000万件の記録も同じような状態ならば、すべての名寄せを完了させるには、さほど時間はかからないはずだ。数カ月といわず1カ月もたたずにできるのではないか。
 だが問題なのは、名前や生年月日が一致していない、「迷子の記録」が大量にあることだ。報道によれば、手書きの台帳をコンピューターに入力する際に、こうした入力ミスが起きたという。こうなると、名寄せは一気に難しくなる。


今日のニュースによると、全員に年金記録を送る案も検討されているらしく「全ての年金加入者・受給者に納付履歴通知…社保庁が検討」(2007年6月26日3時8分 読売新聞)、それをやってくれれば自主的に、この「名寄せ」をしに社会保険庁に出向く人も多くなり、5千万件はけっこう減らせるかもしれないですね。
不明になってるという自体は衝撃的なフレーズでしたが、「何だ、できるんじゃん」という感想、そりゃそうですよね、いい大人がやってる仕事なわけですから。