教育の領域における経営とモティベーション


 教育について論じるときに変に精神論にばかり向かいがちですが、生徒集めはまず各校にとっての死活問題ですから、上のようなランキングが大きく影響する以上、そこで各校は何らかの対抗措置を講ぜざるを得ない。それが「水増し」で問題なのなら、こうしたランキングに頼らないで運営していくための合理的なモティベーションが必要です。それを具体的に考えずに、きれい事で糾弾しているだけではどこにも進まないでしょう。


 和民の社長、渡邊美樹さんが、自分で学校運営に携わった経験から、日経に教育改革の連載を書いています。「学校の生徒は「お客さま」なのか? 投資とサービスの違い」「私の考える「市場主義」と「競争」とは − お金の話は汚いですか?」


 両方とも、官僚主義に陥ってはだめだ、という内容です。教育委員会とはそもそも行政から独立した存在で、公取委のように行政や政治家に左右されること少なく現場企業の競争阻害をチェックしうる存在なのだということです。だから「生徒をサービスの受容者としての“客”と見る見方」や、市場主義と競争の中で運営している私立校の現況をもっと理解しないと、知らない土台の上で机上の空論を展開することになりかねない。そんなところで決まった方針(それが学習指導要領であれ、何であれ)はおそらくろくでもないものでしょう。


 人間がやっている以上、適度な刺激と緊張、向上心をかき立てる仕掛けが必要です。