マスコミのきれい事と自ら振り返らない傲慢

quelo42007-07-30



 ではないかと。ちょっとキレ気味でしょうか・・・。受験に追われる子どもの環境を見ていると、きれい事を言ってすんでしまわせている新聞各紙に腹が立ちます。何が問題かというと、「大阪学芸系列でも水増し 合格186人分、実は7人」朝日新聞2007年07月25日、の記事です。

 私立高校が大学合格実績を「水増し」していた問題で、1人で73学部・学科に合格した生徒がいた大阪学芸高校大阪市住吉区)と同じ系列の中高一貫校大阪学芸中等教育学校(同)も今春、成績が優秀な生徒7人に受験料は学校持ちで「関関同立」と呼ばれる関西の有名私大など6大学の計223学部・学科を受験させ、うち計186学部・学科に合格していたことがわかった。両校とも、今後はこの制度を廃止するとしている。

 この話、どうやら最初は朝日のスクープのようで、その後大手各紙、通信社とも糾弾モードでじゃんじゃん書きまくっています。


 ところで、学校関係者でない限り、学校に行っている親族がいないとピンと来ないかもしれませんが、そもそもこうした高校別に大学合格者数を出して、高校の学力ランキングを売りにして稼いでいるのは、こうした新聞系の各種週刊紙です。週刊朝日サンデー毎日読売ウィークリーともこれらの「データ」は目玉商品となっています。
 読売ウィークリーに至っては、入試時期以外でも、あの手この手で高校・大学の格付けを繰り返し、同じ受験実績でも、単純に合格総人数を比較するだけでなく、それに大学難度のウェイトを掛け、しかもそれを全体の生徒数で割って、「より公平な」高校ランキングを毎週小出しに出しています。これが全国の高校ベスト500(確か)になり、全国の高校関係者はこれに一喜一憂しなければならなくなるわけです。ベストテンには、キリスト教系高校も3、4入っていたと思います。
 ちなみに8月12日号にも「偏差値では分からない'07 就職に「超」強い200大学ランク・・・京女、津田塾…6年で就職率アップ/慶応人気? 共立薬は93%就職/就職率首位はあの大学」という特集が組まれています。


 自分たちで高校間の合格実績競争をさんざっぱら煽っておいて、こうしたメディアによる比較に対抗するために高校側が編み出した優秀生徒の多数受験を一方的にバッシングすることで何かよくなるんでしょうか! ちょっとひどくないですか?
 見方を変えれば、少子化で経営悪化の中、各私立校がマスコミによるランキングによるさらなる経営悪化に対抗するため、合格者数をともかく増やすよう努力することはしごく合理的な判断で、そうしなければ、こうした「ランキング」の喧伝のもとで生き残れません。それを一方的、皮相的な正義の味方のような顔をして「水増し」と糾弾するのはほんとに悪どくないかと思います。
 大手のメディアのみなさんは、自分たちこそ相当の権力を持っていることにもう少し自覚的でないと、自分たちの儲けとコネと名誉のためだけに、権力を振り回していることが周りにどれだけ迷惑か、ただの嫌われ者になってしまいますよ、と思います。やれやれ・・・