人の仕事のモティベーションをあげていくには

quelo42008-04-08



 私の周りを見ても、自分でこつこつ、またはばりばり仕事をするのは得意でも、チームを組んで、全体のパフォーマンスを上げていくというのは、誰にとってもなかなか難しいことです。しかし、やはりみんなをその気にさせて巻き込んでいかないことには、ある程度以上には力が出ないもの。
 そんな話を、マーケッターの藤田康人さんが書いています。BOOM(ブーム)!「上司とのつき合い方にはコツがある」NikkeiBusinessOnline 2008年3月21日 金曜日 藤田康人 上司に決定のリスクを意識させつつ、自分のペースで仕事をする、こちらがやりたくないことはやらないで済ませるようにする、手を紹介したあと、部下についてこう書いています。(藤田さんはこんな人↑)

 今度は部下とのつき合い方です。そのタイプによっても違うとは思いますが、基本はあまり指示、命令をしないということです。私の持論は、他人に言われてやるのは、あまり長続きしない、でも自分がそうだと思ってやれば続けられるというものです。「自分がこう思えるから」とやってもらえるように仕向けることが大事なのです。相手が部下であれ、上司であれ、こうした姿勢は大切です。特に、上司が部下に対して「やれよ」と命令するのはとても簡単で、部下に「自分がやりたい」と思わせる方が手間はかかります。しかし、その後を考えれば絶対にその方が自分が楽ができます。

 これをやらなければいけないのは何故かということを考えてもらう意味を込めて、私は自分の結論を言う前に、まず部下に「君はどう思う?」と問いかけます。もし答えが私と同じだったら、ではなぜその結論に至ったのかを聞きます。大事なのは、その仕事をやってもらうことだけではなく、その目的を理解してやり遂げてもらうことです。もし自分のイメージと違う時でも、相手を否定するのではなくて、どうしてそう思うのか? を説明させます。

 私は「俺についてこい」という、いわゆる引っ張っていくタイプのリーダーではありません。コーディネーターとして調整する役回りが得意です。ただし見かけ上は調整役でも、自分が決めたことに、最終的にみんなも同意して納得するように仕向けていこうとします。

 役職者の意志決定には3通りくらいのタイプ分けがあるように思います。1つはいわゆるリーダーシップを前面に出し、「俺が決めた通りにしろ」というトップダウンで進めるタイプ、もう1つが調整型で、これなら誰もが納得できるだろう、あるいは万人にとって良いだろうと思うところへ落とす、ボトムアップを重視するタイプです。私の場合は、自分の中に「こうすべき」というビジョンをまず決めます。ただそれをトップダウンで指示すると、組織のモチベーションが上がらないので、意見を聞くという形を取りながら誘導して、最終的には自分の許容範囲にまで落とし込んでいくようにします。


 これって、自分がやろうとしていることに相当の自信がないとできないような気がしますが、そこまで自分が腹をくくっていれば、あとは上手くみんなを巻き込んでいけば、この状態になるでしょう。そうすれば、自分一人が引っ張らなくても、みんなが自分の意志で動きつつ、ほぼ一致したゴールに向かっていけるでしょう。
 このtipsは、相手が客であっても同じだそうです。ほんとはこちらの意図から始まっていても、それをいかに、相手もそう思っている、自分の決断で動いていると思わせられるか。なかなか、アートな領域に入っている技術です。ちなみにこの藤田さんは、KOの「文学部人間関係学科」だそうで、こういうことも学ぶのかなあ。一匹狼的宗教者が束になる宗教団体にも、まさに身につけるべき技のように思いますが。