会社ぐるみのブログ書き



ブログについては、マーケティング利用についていつも関心があるのですが、[渡辺聡・情報化社会の航海図]RSSとWeb2.0(2005年05月20日 10:26)で紹介されているアスクジーブス ジャパン(どうやら“一発検索”する会社ですな・・・)がやっている社のBlog「ジーブスのつぶやき」の話が面白いですよ。渡辺氏によると、

社長Blog、社員Blogというのではなく企業全社のPR機能として提供されており、かつ経営陣から社内のキーマンまで書いているケースは日本ではそんなに多くは無い。特に大手になればなるほど少ない。ページ左に表示されているブログロールにしても、肩肘張った様子が無く一般的なBloggerとフラットにやり取りがされているような感覚を受ける。

ということです。つまり、あくまで“公式”ブログ、でありながら、書き手自由、内容自由なブログになっているんです。この正直さが、読み手と顧客の信頼感を買うのかなぁ、と思います。オープンであること自体が、企業・団体としての価値を作っていき、そういう気質の団体と連携していくことで、単なる経済的利益だけでない価値が生み出せるのかなぁ、と思います。


この点、IT Proに出ていた、記者の眼 経営/情報化戦略[2005/05/25]−知のプラットフォームで情報開示,「脳本」経営に成果が出始めた、に通じるところがあるように思います。アスクルの岩田社長へのインタビューからですが、

 岩田社長はアスクルの創業当初から,社員やパートナー企業の担当者の知恵を引き出すプラットフォーム作りを最大の経営課題に掲げてきた。パートナーまで含めた大きな企業体を意味するアスクルの造語「大アスクル」は,「顧客と常に真剣勝負するためのプラットフォームである」と,岩田社長は言い切った。このプラットフォームこそ,脳本経営の実体だったのだ。このプラットフォームには,取引先への情報開示システムが盛り込まれている。


 岩田社長は,企業の競争力の差は「知恵の総和の差」であると記者に語った。アスクルでいえば,同社の取引先である文房具メーカーや新規の顧客を開拓する全国の「販売エージェント」,商品の配送業者まで含めた大アスクル全体で,どれだけの知恵を出し合えたのか。つまり,アスクルとパートナーが出し合った知恵の総和がアスクルの競争力になるということである。これが岩田社長が考える脳本経営の本質であると理解できた。

この「大アスクル」という考え方、いいですねぇ。こうして企業・団体が、単体でなく、その周辺部にあるグループといかに連携をとり情報共有しうるか、そこら辺から新たな価値を生み出していけるのだろうと思います。想像ですが、そうしたノウハウがある程度はそのグループの外に漏れ出すことも特段、気にしないのでは、とも思います。そうして社会全体の価値が高まっていく、かな。宗教団体にとっても、こうした寛容さとオープンさが次のブレークスルーに繋がるんじゃないかと思います。