教皇による干渉

quelo42005-07-12



今日発売のInternational Herald Tribune -7/12/2005(.pdfによるフロントページ)によると、フィリピンのアロヨ大統領への、国を挙げての退陣要求に関して、カトリック教会が何も言わない、と決めたことは、教皇ベネディクト16世からの指示だった、と書かれています。


フィリピンの司教たちが、辞任を求めなかったニュース自体は、一般紙に報道されています。例えば、アロヨ比大統領辞任求めず カトリック司教協議会が声明(朝日新聞、2005年07月10日21時30分)。その理由は、ローマからの介入だったというのは、なるほど、と思わせます。


上の記事によると、この件はマニラのニュース雑誌「Newsbreak」に最初に掲載され、その後、複数の司教によって確認された、ということ。また、教皇大使館の職員も、週末に大使が司教たちと会談したことは認め、内容は明かしてないとのこと。フィリピンの人たちは、当然司教協議会は退陣要求すると思われたので、大変驚いている、とも書かれています。


宗教は政治に関わらない、という立場を、教皇は鮮明にしたともとれますが、解放の神学が常に呼びかけていたとおり、現状に何も言わないと言うことは、現政権に与していることを認めることになる。中立という立場はない、という考え方からすると、ローマは現アロヨ政権を支持していると見られても仕方ないことになります。