(もう1つ)「ネット検索」という技術


我が職場の同僚で、ちょっと年長者と、ずっと後輩のネットに生きている若手を見ていて、もっとも違うと思うのは、このネット利用度とそれによる情報収集能力の圧倒的差。ベテラン記者の経験よりも、ネットを駆使して、獲物にはるかに早く正確に近づき、あとの検証にも威力を発揮している差が出る、という面があります(もちろん、差はネット利用だけに限らないのですが)。


ネット利用者の間でも、「検索能力」が情報収集能力にはるかに差をつけるだろう、といつも思っていますが、そうした考え方を後押しするコラムがでています。


「ネット検索テクニック:統計データを検索するコツ」2006年1月27日(日経ビジネスAssocie編集)ですが。

 「合計特殊出生率が高い上位3県をすぐに調べてくれ」…こう上司から頼まれたらどう調べる?


 「合計特殊出生率」の1語だけでたどりつくのはなかなか厳しい。「合計特殊出生率 上位3県」のAND検索も、偶然そうした記事を書いている人がいない限りヒットしないだろう。「ランキング」も同様だ。

で、どうやるのが正解だと思います??

こうしたケースでは、欲しいデータに載っているであろう言葉を想像して検索語にするとよい。「47都道府県名の横に出生率の数字が並んでいる…」、そんな資料が頭に思い浮かんだら、都道府県名をいくつか並べてみよう。最新版が欲しいなら、年号も加えておきたい。役所の場合、西暦より元号をよく使う。元号と数字がバラバラに検索されないようにするには、"平成16年"のように " " でくくるとよい。
同様に、主要国と比較する場合は国名を並べる。ただし、ドイツを独、フランスを仏と表記しているかもしれないので、それぞれをOR検索にしておくと、ヒットする可能性が高まる。


合計特殊出生率 "平成16年" 東京 沖縄 青森
合計特殊出生率 日本 (アメリカ OR 米) (フランス OR 仏) (ドイツ OR 独)

ということなんですね。取材活動を支える上で、こうした公的統計データはかなり最近はネット上にたまってくるようになりました。しかし正にこの上の人口動態統計など、なかなかうまいことヒットしてこないんですね。中途半端に山梨県の月別データ、のみが、厚労省の統計から抽出されて県庁が作られて、出てきたり。確かに上のようにやるのが近道。検索のアルゴリズムを生み出すグーグルも偉いが、それを使いこなすユーザーも力量が問われて、それが営業成績やら研究結果に表れる、というネット時代の新たな能力開発が必要みたい。こういうブログやったら流行るだろうなぁ。