Apple30周年ということで

quelo42006-04-02



1976年4月1日に会社を興したAppleについて、いろいろそのダイナミックな栄枯盛衰を解説した記事など方々に出ているのですが、CNET News.com2006/03/31 08:00文:Ina Fried「アップルコンピュータ誕生から30年--盛衰を振り返る」もそのひとつ。個人的には1994年のPB150からのユーザーですが、最初に立ち上げたときに、C>が出てなくて、どうやってプログラムを立ち上げるのかしばし凍り付いてしまったのが懐かしいことです。


さて、上の記事からとっても気になった部分は以下の通り。読んでいただければ、なぜにこれが「宗教」エントリーなのか、ご理解いただけると思います。

「マック教」を広める
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 Appleによるもう1つの大胆な動きは、2001年の小売業参入だ。Gatewayが郊外のショッピングセンターから撤退する一方で、Appleは高級ショッピングモールの店舗スペースを次々と確保していった。
 コストはかかったものの、Apple Storeは同社製品を新しい顧客に紹介する役割を果たすとともに、Macファンの集いの場にもなった。Kahney氏によると、これらの販売店のおかげで、マック教はこれまで年2回開催されてきた「Macworld Expo」だけでなく、近所でいつでも布教活動ができるようになったという。


 Kahney氏は、「今では、Appleの販売店がどこからでもすぐ行ける場所に進出している」と語り、洗練されたデザインの店舗には、実際に購入する人、Genius Barsで対面で相談したいユーザー、そして「単純にMac気分に浸っていたい」筋金入りの多数のAppleファンが集まっていると指摘する。
 これらの店舗には、進化し続けるiTunes Music StoreiPodを紹介する役割もある。Appleは昨年のホリデーシーズンに、iPod Nanoやビデオ対応iPodを家に持ち帰りたいという多数の人々に対応する専門の担当者を、ハンドヘルドコンピュータを持たせて店舗内に配置していた。

マーケティングの世界で、「この製品はいい!」と熱烈に宣伝してくれるマニア消費者をevangelizer(伝道師)と呼ぶようですが、いかに上手にevangelizeするか、上の店舗展開の話は全く面白いですね。一般消費者や、とくにevangelizerが信奉している商品イメージを体現する「センター」を大都市の中心部に提供することが、「マック教を広める」ためには必須だったことがよく分かります。


各宗教団体の神社仏閣、教会堂、集会所は現代化されつつあると思いますが、。消費者イメージ通りのものを、しかもそのイメージにもっともふさわしい場に配置してやる、そこで「信者」同士が心おきなく交流し、さらに「プロ・教師」らともさらに深い交流がもてる場とすることが、大変有効なんじゃないかなぁ。そのことをこのAppleの成功が教えてくれていると思います。