ユダの福音だと!

quelo42006-04-07



外電各所に出ていますが、紀元300年前後にコプト語で書かれた『ユダの福音写本』が確認されたとのことです。「パピルス束は1700年前の「ユダの福音書」写本と確認」『朝日新聞』2006年04月07日19時00分、それから「歴史を覆す大発見! 「ユダの福音書」が明かす、イエス・キリストの最後の言葉」『日経BP』2006年4月7日 1時0分、など。(この写真のぼろぼろを整理したかと思うと、たいしたもんです)


詳しくは、National Geographicの日本版「1700年前のパピルス文書『ユダの福音書』を修復・公開、ユダに関する新説を提示」に、実際の解析の状況などが書かれてあり、またさらに詳しいプロセスの説明が「古代の文書『ユダの福音書』の鑑定と翻訳、米ナショナル ジオグラフィック協会発、2006年4月6日付プレスリリースの全訳」も掲載されています。


福音書については、外典である『マリアの福音』、『ヤコブの福音』、いくつかの『イエス幼少期の福音』など、既に現代語に翻訳されて、Robert J. Miller, "The Complete Gospels: Annotated Scholars Version"に収められています。今回の『ユダの福音』も訳がでたら読んでみたいものです。それにしても、この「ユダ」が「イスカリオテのユダ」と各外電が決めていますが、「イスカリオテじゃない方のユダ」じゃないんでしょうかね?
ちょっと、今回、各紙の見出しがエキセントリックな感じがして、『ダビンチ・コード』ののりかなぁと思わせるものがありますが、一つ大事なのは、こうした他の外典との文脈の中で読むといいかな、と思います。