数値化することの大事

quelo42006-07-07



「コンピューターが見つけ出した「中央道拡張」のムダ:経営シミュレーションと日本の高速道路」では、高速道路を作るのが経済合理性があるかどうかを、どう計算するかが書かれています。

中央道では、数年前に約1000億円かけて大月から小仏トンネルまでを2車線から3車線に広げる工事が行われた。小仏トンネルから東京方面にかけては2車線のままである。コンピューター上で3車線を、過去に戻して2車線にして現在の交通量を流すシミュレーションを実行してみた。ちなみにこれは、研究室の4年生の卒業論文テーマである。結果は、2車線でも、3車線でも、走行する車の平均速度は1日中ほとんど変わらなかった。もちろん、これだけですべてを判断するわけにはいかないが、1000億円の投資はほぼムダだったと言って間違いではない。
 事故が起きた場合には、3車線化にはそれなりの効果がある。だが、その効果も東京の府中や高井戸周辺にある2車線区間で事故が起きた時の強烈な渋滞を考えれば、たいしたことではなかった。

ちゃんと計算する、調べて書く、ことの大事さが分かる話じゃないでしょうか。ちなみにこのコラムの著者、東大の宮田秀明先生の結論は、「この時に理解したのは道路公団にとっては最大のミッションが『道路の建設』だったということ。国民のための交通サービスを提供するというミッションは2番目以下なのである」ということ。だから、数値化なんかされると、甘い汁が吸えなくなって、かなわん、わけですね。