靖国に関する昭和天皇発言について、文藝春秋に徹底検証があるそうな

quelo42006-08-17



日経の立花隆のコラムで昭和天皇A級戦犯に対する心情について書かれた「富田メモ」について、文藝春秋に検証記事があるそうで、これがなかなか詳しく興味深い内容のようです。「立花隆:天皇はなぜ参拝しないのか、「心の問題」論と靖国神社」2006年8月12日

徹底検証で明らかになった「富田メモ」の信憑性
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それに対して最近発売された「文藝春秋」9月号での、半藤一利秦郁彦保阪正康の3人による座談会「徹底検証・昭和天皇靖国メモ』未公開部分の核心」は、そうした有象無象の議論を全部吹き飛ばしてしまうくらいのインパクトを持つものだった。


なにしろ、それら否定論者たちの発言がおしなべて、現物を見もしない、かつ内容を深く検討したこともない人々の無責任きわまりない発言であったのに対して、この座談会に出ている、半藤、秦の両名は、日経新聞のスクープ(7月20日朝刊)以前に、原物を見せられ、その信頼性のチェックをした(半藤氏は7月のはじめに、秦氏は発表の1週間前に)ような人物だから、議論のレベルが、有象無象の人々とは比較にならないくらい深い。


富田メモの内容とその背景に関しては、日経新聞でしばらく写真入りの囲み記事の連載がつづき、それなりに知ったつもりになってはいたが、この座談会による「徹底検証」は文字通りの徹底検証で、その情報量は何十倍も大きい。

この後段にある話で、天皇は戦況について、後にA級戦犯となった戦争指導者たちからウソの報告しか受けておらず、実際の戦況を知るためにアメリカの短波ラジオを聞いていた、と、上の秦郁彦さんは言っています。このシナリオから行くと、もちろん天皇に戦争責任はないといいきれないものの、その重さが実質的な主導者たちに大きく傾く話です。だとすれば、当時の首相、参謀たちに、戦時中からまったく信頼をもてなかった・・・というのは、本当なのかもしれません。


もう1点、いつも“うがった見方”をする立花氏ですが(小泉首相富田メモ靖国参拝できなくなった、という予測は大ハズレでしたが)、最後に、靖国神社内の「遊蹴館」について、この戦争礼賛の展示物が米国との歴史認識問題に発展しかねない、というポイントも出てくる可能性があるのだそうです(これについても文藝春秋9月号に記事がある)。確かに、スミソニアンエノラゲイが展示されているのを、日本人はとてもいい気持ちのするものではないのですが、もともとWWIIで、米国は正義を行ったと考えているアメリカ人が遊蹴館を見たら、怒って当然、ですね。反米については、右も左も意見がそろいかねない恐ろしさがあり、もしそんなことになれば、それこそ翼賛的に一気におかしなことになるのでは、と心配です。