ジャーナリストに必要な3要素

quelo42008-01-28



 大手紙で宗教担当を長らくされていたS記者(元、かな)とお話しする機会があって、同僚と二人で会いに行きました。
 話のテーマのひとつは、うちのような宗教紙が経営的にも、内容的にも、ひとつの曲がり角に来ていてなかなか大変だということ。そうした中にあって、Sさんから見てどういう役割があるか、聞いてみたかった、というところがあります。
 と同時に、Sさん自身がおっしゃっていたのですが、その大手紙ではSさんが退職していらい、その宗教欄がなくなってしまい、それは他の大手紙も同じ流れにあって、そういう大きな流れ自体、日本社会における「宗教の風景化」という山折哲雄さんの表現にあるような、つまり、宗教は日本では風景、景色、背景くらいにしかなっていない、という大きな社会状況の中で必然的に起こっていること、というような話を、やや酔っぱらいながらしました。
 キリスト教が置かれている状況については、いまローマで働いている郷さんという記者がいますが、彼女なんかに話を聞いてみたいということで意気投合したりもしました。そのチャンスは是非もちたいものです。
 幣紙自体については、外交辞令ではあるのですが、よくやっているのでは、とお褒めのことばをいただきました。


 さて、上の3要素ですが、ジャーナリストになりたいという若い人に話していることなのだそうですが、我ら「中途採用」の記者にとっても大変当てはまり、今後(いま現在も)のスタッフィングの際も、参考になるなあ、と思った次第。
 1つは健康、2つはちょっとだけの正義感、3つ目は好奇心。まあ、当たり前のようでしょうが、実際自分で取材していると、同僚見ていても、蓋し名言、と膝を打ちました。
 健康は大事ですね、これがないとただ撤退することになるので。
 ちょっとだけの正義感も実感です。正義感もろ出しの人は、自己相対化できなくなって暴走する。これも読者のためにならないですね。押しつけになるので。だけどちょっとだけの正義感がゼロになると、これがまたただのカタログ雑誌のようになっちゃって、読む新聞じゃなくて載る新聞になるような気がします。
 最後の好奇心、これが少ない、というかほぼない人がけっこううちのような業界紙にはいて、やっぱりそういう人は続かないなあ、と実感してます。というか、そうか、あの人たちに物足りないと感じていたのは、この「好奇心不足」と、えらく納得!でした。何か、面白いもの探そう、一緒につくっていこうと思ってない人は、メディア向きじゃないですね。